この記事では笠地蔵(かさじぞう)について記載します。
「思いやりの大切さ」「善い行いをすれば報われる」といったことを学ぶことができる笠地蔵(かさじぞう)は人気の日本昔話です。
目次
笠地蔵(かさじぞう)の主な登場人物は3人
- おじいさん
雪深い国で貧しい生活を送る。
笠を売って新年を迎える餅を買うことを試みる。
雪をかぶった、お地蔵様に笠をかぶせてあげる心やさしい人 - おばあさん
おじいさんと同様に心優しい人。
売り物の笠をお地蔵様にかぶせたと聞いて「それはいいことをしましたね」と答える寛容さ。 - お地蔵さま
おじいさんと町の間で見守ってくれる、ありがたい存在。
雪を払いのけ、笠をかぶせてくれた、おじいさんに米俵や餅・野菜どの様々な食料を贈ってくれる。
笠地蔵(かさじぞう)のあらすじは?
とある雪深い国にひどく貧しい老夫婦が暮らしていた。年の瀬が近いというのに新年を迎えるための餅すら買うことができなかった。
そこでおじいさんは、町に出て日々こさえてきた笠を売ろうと背負えるだけ背負って出かけていった。ところが残念なことに、笠は大して売れなかった。吹雪く気配がしてきたため、おじいさんは笠を売ることをあきらめて帰路につく。
吹雪の中、おじいさんは六人のお地蔵さまを見かけると、そのいかにも寒そうな様子を見て可哀想に思い、売れ残りの笠を差し上げることにした。おじいさんはお地蔵さまの頭に降り積もった雪を払い、一つまた一つと笠をかぶせていった。しかし、手持ちの笠が一つ足りず、おじいさんは自分が使っている笠を最後のお地蔵さまにお被せし、何も持たずに我が家へ帰っていった。
おじいさんからわけを聴いたおばあさんは、「それはよいことをしました」と言い、結局何も買えなかったことを責めたりもしなかった。
その夜老夫婦が寝ていると、家の外で何か重たい物が落ちたような音がする。そこで扉を開けて外の様子を伺うと、家の前に米俵や餅・野菜・鯛などの様々な食料に小判などの財宝が山と積まれていた。
老夫婦は、笠をかぶった六人のお地蔵さまが雪の降るなか背を向けて去ってゆくのを見送るのだった。このお地蔵さまからの贈り物のおかげで、老夫婦は良い新年を迎えることができたという。
wikipediaより
笠地蔵(かさじぞう)の教訓は?
私は、笠地蔵(かさじぞう)の教訓は一般的には
- 善い行いをすれば、自分にも善いことが返ってくる(かもしれない)
- 思いやる心の大切さ
このことに尽きるのではないでしょうか?
それ以外にも、おばあさんの優しさについて子どもに触れてほしいです。
おじいさんが正月に食べるお餅などを持って帰ってくることをおばあさんは期待して待っていたはずです。
その期待と反して、笠は売れずに地蔵さまに配って帰ってきたおじいさんに対して、「善い行いをしましたね」と、おじいさんのことを労うおばあさんの暖かさは素晴らしいですね。
笠地蔵(かさじぞう)のオススメの絵本は2つ!
笠地蔵(かさじぞう)のオススメの絵本は2冊あります。
お子さんの年齢に応じて選ぶようにしましょう!
【園児までのお子さん】瀬田さんと赤羽さんの「かさじぞう」
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再話:瀬田 貞二 画:赤羽 末吉
ページ数:20ページ(左開き)
出版社:福音館書店
墨で描かれたイラストは味があり、親しみやすい雰囲気になっています。お地蔵様の神々しさも素晴らしいです。
内容は、おじいさんの行動など焦点を事実に当てたシンプルな表現で描かれているので、小さなお子さんでも楽しみやすい作りになっています。
勿論、分かりやすい表現の中でも、かさじぞうの教訓を感じとれる絵本です。
【就学以降のお子さん】岩崎さんと新井さんの「かさこじぞう」
文:岩崎 京子 絵:新井 五郎
ページ数:44ページ(左開き)
出版社:ポプラ社
何よりも絵柄から、おじいさんおばあさんの顔から人の良さが滲み出ています。
どのように笠地蔵に笠を渡したのか?心情や情景の描写が細かく、おじいさんやおばあさんの人柄が読めば読むほど分かる作品になっています。
このシーンではどのような思いがあったのか?表現の意味を踏み込んで考えて楽しむことを徐々にできるようになる小学生以降に向いています。
巻末には「ものいう かめ」という、「かさじぞう」と「はなさかじい」を混ぜたような昔話も掲載されているのも面白いです!
笠地蔵(かさじぞう)の絵本は今回紹介した2冊以外にも、たくさん存在します。
絵本毎に特徴があり面白いので、笠地蔵(かさじぞう)絵本をまとめた記事も作成中なのでお待ちください。
最後に
笠地蔵(かさじぞう)は、登場人物が皆、善良な人柄です。意地の悪い、お爺さんや悪い鬼も登場しません。
貧乏で正月用の食べ物も無い環境でも、お爺さんとお婆さんによる暖かい雰囲気がとても素敵な昔話ですね。
是非、お子さんと笠地蔵(かさじぞう)の世界を楽しんでください。