昔話の定番中のド定番といえば桃太郎。誰もが一度は見聞きしたことがある、日本5大昔話ですね。
馴染みの深い話なので、我が子に対して桃太郎の絵本を購入検討している方も多いのではないでしょうか?
しかし、桃太郎絵本は世に数多く販売しています。私が読んだ桃太郎絵本だけでも40冊を超えています。
その中から、「どの桃太郎がいいのか?」選ぼうと思っても簡単にはいきません。
桃太郎といっても、全ての内容が同じ訳ではなく、絵本毎に桃太郎の性格が異なっていたり話の流れに種類があったりと、どれを買っても良いわけではないからです。
この記事では、私が読んだ桃太郎絵本を以下の通り分類しています。
- オーソドックスな桃太郎
- 怠け者(寝太郎)型の桃太郎
- 小さなお子さん向けの桃太郎
- 一風変わった桃太郎
皆さんが桃太郎絵本を選ぶ際の参考になればと思っています。是非ご覧ください。
まずは桃太郎のおさらいから!
桃太郎は基本的な形は室町時代には存在していたようです。そして、江戸時代初期には絵入り本(草双紙)として、広まりました。
明治20年頃には国定教科書(国が著作した全国の学校で使用される教科書)に掲載もされています。
桃太郎の物語は地域毎に細部異なっていたりしますが、下記の内容が一般的です。
桃から生まれた桃太郎が、おじいさんやおばあさんの子として育てられ、鬼ヶ島へ鬼退治に出発する。道中イヌ、サル、キジと遭遇し、きび団子を渡すことで旅のお供となり、協力して鬼退治を成し遂げる。成果としてお宝等を獲得して村に帰ってくる。
人々を苦しめた鬼の集団に桃太郎が勇気と知恵を用いて立ち向かう物語は、自分たちを苦しめる事柄に対して立ち向かう大切さを学ぶことができ、昔も今も桃太郎が愛されている理由かもしれません。
また、他の教訓としては
- 仲間と協力する大切さを学ぶことができる
- 勧善懲悪物語であり、善悪について考える機会になる
- 人を思いやり、人の為に行動することの大切さを学ぶことができる
上記の事柄に触れることが出来るのも桃太郎の素敵な点ですね。
オーソドックスな桃太郎
桃太郎絵本の中で最も、多く存在していたのがオーソドックスな桃太郎です。
勇敢で行動力があり、正義感にあふれている桃太郎が困っている人を助けるため、鬼退治に向かうことを決意し、仲間たちと協力して鬼を退治するという定番の内容がこちらになります。
このタイプの絵本と言えば文を松居 直さん、絵を赤羽 末吉が担当したももたろうが非常に有名です。
正直、1冊目の桃太郎絵本に悩んだらこれを選べば間違いないくらいの定番になっています。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、もしよければご覧ください。
怠け者(寝太郎)型の桃太郎
オーソドックスな桃太郎は真面目で人を思いやる優等生タイプの桃太郎でしたが、中には「食っては寝て食っては寝る。近隣の者に山での仕事に誘われるも、様々な言い訳で断り怠け者だが力持ち」といった桃太郎が主人公とする物語もあります。
こちらは主に中国や四国地方で見られるようです。
イヌ・キジ・サルへ黍団子を渡す際も1個ではなく、半分のみ渡す姿もあり、筆者からするとこちらの桃太郎の方が、少し共感を抱いてしまいます。
もちろん、怠け者(寝太郎)桃太郎タイプの絵本も存在します。
文を松谷みよこさん、絵を瀬川康男が担当した桃太郎が怠け者(寝太郎)桃太郎タイプの絵本です。桃から誕生する場面や鬼との戦闘場面では大きく見開きを使い描かれているため迫力があります。
あまり数は多くありませんんが、怠け者(寝太郎)型の桃太郎については、こちらでも紹介しています。
小さなお子さん向けの桃太郎
桃太郎は、話の内容や教訓を理解できるのは恐らく3歳ごろからだと思われます。
しかし、絵本には3歳よりも小さなお子さんが楽しめる用に描かれた桃太郎も存在します。
桃太郎に登場する桃や犬、猿、鳥(キジ)は実際に見たことがあるお子さんも多く、それらの活躍する桃太郎の物語に小さなお子さんも興味を持ちやすいでしょう。
1歳ごろでしたら「音でよむ昔ばなし1 ももたろう 」は、オノマトペ(歩く際の”てくてく”や犬の鳴き声”ワンワン”といった擬音語や擬態語)で桃太郎を描いているため、音と絵で発音を促しつつ小さなお子さんも楽しむことができます。
もう少し多くなり1歳から2歳ごろのお子さんでしたら「はじめてのめいさくしかけえほん ももたろう」もオススメです。
桃太郎をシンプルな話に要約されていることや色々なページに仕掛けがあることから小さなお子さんでも楽しむことができます。(桃太郎が誕生するシーンや黍団子を各動物にあげるシーンに仕掛けがあります)
こちらでも紹介しています!
一風変わった桃太郎
少し変わった観点、設定で桃太郎を描かれた絵本も存在します。
その中で、筆者が読んで印象に残った本を1冊紹介します。
筆者が読んで印象に残ったのは「桃太郎が語る 桃太郎」です。
桃太郎を第3人称ではなく、桃太郎の第1人称から物語に触れることができます。
オーソドックスな桃太郎を見ていたら、勇敢で怖いものなど無いように見えた桃太郎でしたが、この絵本を見ると実は桃太郎が旅中に寂しく感じたり、鬼に恐怖を感じながら立ち向かっていたりと知ることができます。
大人が読んでも、別の視点から見る桃太郎を面白く感じると思います。
お子さんもこの絵本を通じて、別の視点から物事を見て、考える事を知ることが出来るのではないでしょうか?
その他の”一風変わった桃太郎”はこちらの記事でも紹介しています。
最後に
いかがだったでしょうか?
お子さんが桃太郎に興味を抱いたのであれば、タイプの異なる絵本を読んであげるのも良いかもしれません。
余談ですが、おじいさんとおばあさんが桃を食べて若返り、二人の間に出来た子が「桃太郎」というタイプも存在しています。こちらは絵本では、見つけることが出来ませんでしたが、地域や年代によって、同じ桃太郎でも色々な違いがあり、そこが面白いと筆者は感じています。
また、別の記事では桃太郎のちょっとした豆知識について紹介しているので興味がある方はご覧ください。